Countdown
Chapter 7
捜索するための準備をしているときにも、時々小さな爆発音が聞こえてきていた。
「島、準備はいいか?」
「ああ、こっちはOKだ。三島、塚本、ルートの確認は出来ているか?」
「はい、出来ています。島教官」と、塚本。
「古代教官、ルート確認できますか?」
「ああ、今モニターに切り替えてみるよ、三島」
ヘルメットの前面の小さなモニターを起動させながら
「ちょっと遠回りだな・・・・もう一度最短距離のルートを探してくれ」
「はい・・・でも最短距離のルートだと危険な箇所が何箇所か出てきますが・・・」
「わかっている、三人の無事を確認するのが先だ」
「わかりました、今検索します」
古代に言われできるだけ危険な箇所がなく三人のいるであろう場所へ最短距離でいけるルートが2箇所見つかった。
「古代教官、島教官、ルート二つあります・・・?」
モニターに移る軌跡を見ながら
「島、二手に分かれるぞ」
「了解、古代は右のルートへ、俺は左のルートから行く」
「おい、左へは俺が行く・・・」と、言いかけた古代へ
「お前は走り始めたら周りが見えなくなる。だから右へ行け。冷静沈着な俺が左へ行ったほうがいいと思ってな」
そう言うと古代がとめるのも聞かずに走り始めた。
「おい、島。全くどっちが猪突猛進なんだか・・・・塚本は島のサポートを,三島は俺のサポートを頼む」
「「はい、了解しました」」
敬礼で応えたふたりへ頼むと手を上げ右のルートへ走り始めた。
大きな爆発音は聞こえなくなったが小さな火が所々でくすぶっているのを確認しながら三人の名前を呼ぶ。
「清水、山根、長谷、いたら返事をしろ」
古代の声と島の声が三人がいるであろうフロアに響く。
瓦礫の影を慎重に探しながら島と合流する。
「島、そっちにいたか?」
「いや、いなかった」
「ということはこの部屋の中か?」
少し曲がってしまっている部屋のドアをふたりで見つめていると、中からかすかに人の声が聞こえてきた。
「おい、清水、山根、長谷、この中にいるのか?」
ドアを叩きながら古代が声をかけると部屋の中から小さな声が聞こえてきた。
「き・・・きょう・・・かん、し・・みずが・・・」
「清水がどうしたんだ?」
「爆風に煽られて頭を打ったみたいです」
「清水以外は怪我をしていないのか?」
「はい、山根も僕もかすり傷程度です」
「清水がかばってくれたので・・・」
「今から、ドアを開けるからもうしばらくの辛抱だ。島、コンピューターは生きているか?」
「今連絡を取っているところだ。鍵の解除は出来たそうだ。後は人の力でどこまで動くかだな・・・」
「人一人、通れるぐらい空けばなんとかなる」
島とふたりで動かないドアをこじ開ける。
「山根、長谷、清水」
古代の問いかけに
「古代教官・・・清水の意識今戻りました」
ほっとした顔をした長谷が古代に向けて申告する。
「長谷、山根、ケガは?」
古代の後から入ってきた島が山根に尋ねると
「僕も長谷もかすり傷程度です。タダ、清水が・・・」
清水の方へ目を向けると
「だい・・・じょうぶ・・・です。歩けます・・・」
古代の手を振りほどきながら清水が言うと
「馬鹿野朗!今まで意識がなかったヤツが大丈夫だと?何時までも詰まらない意地を張っているんじゃない。島、担架は見つかったか?」
「ああ、何とか使えそうだ。清水、今無理をしてもしょうがないだろう?俺たちを嫌うお前だから意地を張るのかもしれないが・・・」
古代に怒鳴られた清水に島が声をかける。
「無理をしてせっかく訓練でココまで来たのが全部パーになるぞ。今は無事この建物から出ることが先決なんだから。山根、長谷、清水を担架に」
品に言われた二人はゆっくりとして動作で清水を担架に乗せる。
「島、先を頼む。俺は後ろから行く」
「わかった、行くぞ」
島の後を清水を乗せた担架を長谷と山根が持ち部屋を出る。その後を古代が続こうとして時・・・・
崩れかけていた天井が落ちてドアをふさいでしまった。
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