Countdown
Chapter 4 −7日前−
保育園の栄養士さんから簡単につけれる離乳食のレシピをいただいてきた。
出来るだけ手作りをと思ってはいるのだけど・・・
これからのことを考えると作り置をしておく必要がありそうで・・・
でも・・・
私が作るより、進さんにお願いしちゃおうかな?
何てこと思っている・・・
早く帰って来ないかしら?進さん・・・
午後の陽だまりの中
子供達のお昼寝の添い寝をしていたはずなのに・・・
ふわふわとした浮遊感で目が覚めた気がした。
暖かい木漏れ日に雲のじゅうたん・・・
「ここは・・・」
『ママ、目が覚めた?』
『ここは、私たちがいたところ・・』
「え?」
『美優、違うわよ。
私たちがいたところはもっと上。
ここはママの夢の中なの』
ちょっと悲しそうにつぶやく女の子。
「私の夢の中?
美優って・・・
だってあの子達はまだ小さな赤ちゃんなのに・・・」
『ママの夢の中だけちょっと大きくなることが出来るの』
と、美優が言う。
『これから見ることがママにはちょっと辛いかもしれないの・・・
ほんとはこんなことママにみせたくないんだけど・・・』
『だからママ、このままもう一度目を瞑って元の場所に戻りましょうよ』
『今ならまだ、見なくてすむもの・・・・』
「美希、美優。
きちんと話してくれないかしら?
何を聞いても、ママは大丈夫だから・・・・」
しばらく私のほうを見つめていた二人が
『あのね・・・
私たちを地上に降ろしてくれた神様がね・・・』
『パパの身に危険が迫っているって教えてくれての・・・』
『でもね、パパはうまく切り抜けられるだろうからあまり心配してはいけないって・・・
パパは一人じゃないからって・・・』
『だから、ここからママにも応援してもらいたいの・・・』
「あなたたちのパパは地球にいないのよ。
それなのにどうやって応援するの?」
『パパは今火星の基地にいるのでしょう?
島のおじちゃまも一緒に・・・』
『まだ、パパに、何も起こっていないけど・・・
ここから、パパを応援してほしいの。
これはみんなのお願いなの・・・』
そう言って視線を私の後ろへめぐらせる。
その視線を追うと、懐かしいぃ人たちの顔が目に入ってきた。
その中心には沖田艦長・・・
「沖田・・・艦長・・・」
『ユキ・・・
そんな顔をするものじゃない。
古代に危険が迫っているというより、あいつの性格なのだろう・・・
危ないことに首を突っ込むということは・・・
まぁ、島が要るから心配はせんでも大丈夫だろう・・・』
『それに、こんなかわいい子供たちがいることがわかっているから・・
いくら進でも無茶なことはしないはずだ』
と、沖田艦長の隣から守さんも言う。
「お二人にそんなことおっしゃられても・・・
心配ばかりかけられるんですよ・・・
今は、この子達が小さいから出来るだけそばにいてくれますけど・・・」
『相変わらず、心配性だな、ユキ。
進は、どんなことがあってもユキ、君のところへ戻ると約束したのだろう?
それなら君は、子供たちと進を信じて待っていることだ。
今回の危ないことも、後で聞いたらきっとあきれることだろう・・・』
『古代を信じ、このまま帰るといい・・・
美希、美優、ママを心配させることを言ってはいけないよ。
ユキ、古代を信じて待っていなさい・・・』
沖田艦長から優しく声をかけられて。
「でも・・・」
『ママ、ごめんなさい』
『ごめんなさい。ママ』
抱きついてきた二人を抱きしめ、
「いいのよ。
あなたたちもパパが心配だったのでしょう?
三人で、パパが無事帰ってくることをお祈りしていましょうね」
そう言ったときまた目の前がかすんでいくようだった・・・
「あ〜あ」「きゃうー」
という声が聞こえてきた。
「やだ、一緒に寝てしまったのね。
美希も美優もご機嫌さんで遊んでいたのね。
あなたたちが大きくなった姿を夢で見たわ。
とっても素敵な女の子になってくれていたのよ。
きっと、パパはあなたたちのこと離したくなくなってしまうわね・・・」
『 ユキ
明日から2日間休暇になります。
明日の夜は久しぶりに島と飲む予定。
訓練も順調にこないしているから安心してください。
美希と美優はいい子にしていますか?
2日ヶ月ぶりに会うから僕のこと忘れてしまっていないだろうか?
忘れてしまわないように僕のこときちんと話しておいてください。
後1週間で帰ります。
ユキ、美希、美優、早く会いたいよ・・・・
進 』