桜咲いたら・・・・



こちらに出てくる、愛ちゃん、大和君、義和君は、
ひとみさんのオリ・キャラをお借りしました。



桜咲く4月、進とユキの子供たちも入学式を迎える。

同じ小学校へ入ることになっている相原家と一緒に入学式へ向かう。

「入学式日和って言うのかなぁ・・・」

「そうね、お天気もいいし・・・」

「相原は相変わらず記録係か?」

少し後ろを歩いている相原に声をかける。

「ええ、いつものようにダビングしてお渡ししますから・・・」

カメラを構えたまま歩いてくる。

「今日は、子供たちも少しはおとなしくしているようだね」

「うふふ・・・わからないわよ・・・

だって、愛と義和君喧嘩友達だから・・・」

「喧嘩って・・・」

進が絶句している間に・・・

       

「いやー、やめてよ、よしかかずぅ・・・」

桜の花びらをよけながら逃げる愛。

「さくらのはなびらばくだんもういっかい。

あいちゃんにむけてはっしゃぁー・・・」

花ビラを手にいっぱい持った義和が愛に向けて花びらを投げつける。

「あーあー。とうとうはじまちゃったよ・・・・」

またいつもの喧嘩かと一人あきれている大和。

「ね、始まったでしょう・・・

いつものことだから気にしていたら・・・・」

ユキがいつものことだから心配ないわ、といおうとしたとき、

       

「もー、いいかげんにして!!」

振り向きざま義和に向けて愛の蹴りが入った。

「オー、見事に一発決まりましたねぇ・・・」

ビデオカメラを片手に相原が言う・・・・

「いつものって・・・」

ボーゼントした進が相原に聞く。

「ええ、いつものことです。

はじめ仲良く遊んでいたかと思うと喧嘩になり、いつも愛ちゃんの勝利なんですよ」

ビデオをまわしながら相原が解説する。

「そうなのか・・・」

進が感心したとき、

「愛、いい加減にしなさい」

ユキの怒号が聞こえてきた。

愛は、ユキに捕まらないように逃げようとしたが、ユキのすばやい行動で捕まってしまった。

「愛、いつも言っているでしょう・・・

女の子なのだから蹴りを入れてはいけないって・・・」

愛の目の前に屈み諭す。

「だって・・・

さきにやってきたの、よしかずだもん・・・」

ぷぅと、頬を膨らませる。

「それでも、義和君のほうがいたいのよ。

謝っていらっしゃい」

「やだ」

ぷいっと、横を向いてしまった愛。

「そう、ママの言っていることがわからない子は・・・」

愛の腕をつかみそばにあるベンチへ腰掛ける。 

ひょいと、愛を抱えあげたかと思うとうつぶせにする。

     

一瞬何が起こったのかわからなかった愛。

「ママの言うことを聞けない子は、お仕置きです」

愛の小さなお尻へユキの平手が飛ぶ。

ペチッ、ペチッ、ペチッ・・・

「わーん、だって、よしかずが・・・」

「まだわからないの・・・」

ペチッ、ペチッ、ペチッ・・・

「ママー、ごめんなさい・・・もう・・・しません・・・」

ユキの隣では義和が晶子に怒られている。

「義和、愛ちゃんは女の子なのよ。

嫌がることをしてはいけませんって、いつも言っているでしょう。

愛ちゃんに謝ってきなさい」

「ぶつけたのさくらのはなびらだもん・・・

ぼくのほうがいたかったもん・・・」

義和も自分から謝ろうとしない。

そんな義和に、晶子の雷がひとつ・・・

ゴッチーン

「わーん、ママごめんなさい・・・」



母親に怒られている二人を見ながら・・・

「なぁ・・・相原」

「何です?古代さん」

「もしかして、義和、愛のこと気になっているのか?」

まじめな顔をして聞いてくる進に

「ええ、よくお分かりになりましたね。

いつもはこんなこと気がつかないのに・・・」

くすくす笑いながら進のほうを向く。

「いや・・・数年前の自分を見ているみたいで・・・」

「好きな子ほどいじめてしまうってやつですか?」

「おい、相原・・・」

「あはは・・・図星でしたか?」

「お前だって、人のこといえないだろうに・・

定時通信の後のあの合図は何だったのかな?」

「えーっと・・・何でしたっけ?」

「あっははは・・・お互い昔のことは言うのはやめよう・・・」

「そうですね。そろそろ行かないと入学式に遅れてしまいますよ」

時計をチラッと見ながら相原が言う。

「そうだな、おい、ユキ。

そろそろ行かないと初日から遅刻になってしまうよ」

「あら、もうそんな時間になるの?

晶子さん、義和君は大丈夫?」

「ええ、ユキさん大丈夫ですよ。

愛ちゃんごめんなさいね。

これからも義和と一緒に遊んであげてね」

「うん、よしかずはやくいこう・・・」

「あいちゃんまってよ・・・・」

駆け出す二人を見つめながら

「またすぐけんかはじまるくせに・・・」

ちょっぴりさめた大和君でした・・・