55.天使
静かな夜、ソファーに座りふと見上げた空には明るく輝く月
テスト航海へ出かけたあの人が戻るまで後1週間
大きな期待と小さな不安
早く教えてあげたいような・・・
でも、直接伝えたいことだから・・・
そろそろ今日の定時連絡の時間あなたはどんな風に声をかけてくれるのかしら?
とてもいいことが会った私の顔は微笑んでいることだから・・・
夜10時、あなたからのコール音
「はい、古代です」
『ユキ?今日の予定、何事もなく無事住んだよ』
「お疲れ様、訓練生たちにお小言はなかったのね?」
『毎日怒ってばかりいられないよ。それより、何かいいことあったの?』
「なぜ?」
『なんとなく・・・輝いて見えてから・・・』
「うふふ、進さんでもそういうこといえるようになったのね。帰ってきてからのお楽しみにしておいて」
『なんだい、もったいぶって・・・まぁ、後1週間で帰るからそのときに教えてもらうよ』
「楽しみにしていてね、きっと驚くかもしれないけど・・・」
『なんだか、怖いなぁ・・・覚悟しておくよ。また明日、この時間に連絡するよ』
「はい、待ってます。進さんも無理しないようにね」
『あいつら相手だから、無理しないわけには行かないと思うけど・・・』
「艦長が倒れたんじゃ訓練生の示しがつかないわよ」
『はいはい、任せられるところは任せているから大丈夫だよ。それじゃ、お休みユキ』
「おやすみなさい、進さん」
ブラックアウトした画面を見ながら
「どんな顔して驚くと思う?楽しみにしていたね」
私の中に宿った天使たちにあえる日を楽しみにしているわね
1週間後帰宅した進の耳元に
「あのね、天使がね来てくれるんですって・・・」
ユキの言った言葉がうまく伝わらなかったのかポカンとした進に向かってとても綺麗な笑みを見せたユキがいたとか・・・