02.光芒
一筋の光芒が、光の尾を引いて太陽系へと近づいてくる。
突然宇宙のかなたから攻撃を受けた地球。
外部からの攻撃という特殊なことになれていなかった地球人類はただ生き延びる為に地下へと住居を移していた。
科学力が劣る地球人類でも何とか食い止めようと各国で対策を立てらていた。
そのような時代の中、二人の少年宇宙戦士の訓練生は、遠く宇宙のかなたから火星へ向かってくる光の観測をしていた。
「おい、島。何が近づいてきているんだと思う?」
「あんなに遠くては何が近づいてきているかなんてわかるわけないだろ?」
二人が画面を見ながら話している間に光の帯は火星の地表へ墜落をしてしまった。
「墜落した、乗組員がいるかもしれない、救助に向かおう」
「だが、古代。俺たちは訓練生なんだぜ。勝手に行動しちゃまずいんじゃないか?」
あわてて飛び出そうとした古代に向かって島が静止をかけたとき
『訓練生、古代進、島大介。火星へ墜落して飛行物体を知らべて報告を』
「了解しました、古代、島の両名飛行物体の調査に向かいます。島行くぞ」
「古代、あわてるなよ」
探索艇の中から墜落したと思われる飛行物体を見た古代は
「見慣れない宇宙船だな。ガミラスのものでも地球のものでもないぜ」
火星の地表へ突き刺さるように墜落している宇宙船へ近づいた二人は
「古代、こんな金属見たことないな。デザインも変わっている。それに変わったエンジンだぜ」
宇宙船を調べながら言う島に
「十分気をつけろよ」
と、声をかけて操縦席のほうへと足を向ける。
散乱したファイルの中に一人の女性が横たわっているのを発見した古代がそっと抱き起こしたとき、その女性の手からカタンと小さな音を立ててカプセルが落ちた。
カプセルを拾い上げならが島が
「通信カプセルのようだな。乗組員はその人だけらしいな」
「ああ、たった一人でこの宇宙船を操縦してきたんだろうな」
抱き上げた女性の顔にかかっていた髪をそっとどけた古代が
「綺麗な女性だな、このまま放っておけないよな、島」
「ああ、この宇宙船のそばに眠らせてあげるのがいいだろうな」
宇宙船が墜落したためにできた穴の中へ女性を横たえ、黙祷をささげる。
そこへ
『訓練生、収集した資料を持ち撤退した戦艦へドッキングして戻れ』
「了解しました」
探索艇に飛び乗り火星を後にする。
遠いイスカンダルからの使者、サーシャの死を悼みながら・・・
一筋の光の帯が使命を帯びた輝きになるために・・・・・・