an encounter −出会い−


早いものでもう2年になるのね・・・・・・貴方と出会って・・・・・・

初めの出会いを覚えていない私と・・・・・・

「出会いの印象からキミは変わったね」と言う貴方・・・・・・

ちょっと頬を膨らませ拗ねたように貴方を見ると貴方はクスリと笑って「もちろんいい意味でだよ」と言った。


あの航海での私達は意地の張り合いばかりで・・・・・

勝気だけどネンネだった(友人の言葉だけど)私は子供みたいに「好きな子には反対の態度を取る」貴方に反発してばかりだった。

周りから見たらバレバレだった意識しすぎの私達・・・・・・

最初「敵を倒す事しか見ずただ突っ走ってばかり」の貴方を理解する事が出来なかった。

でも・・・・・航海が進むに連れて貴方の隠された面が見えるようになるとどうしても視線を外す事が出来ない私がいた・・・・・・

「傷ついた子供」みたいな貴方を支えて行きたい・・・・・

その哀しい心を暖めてあげたい・・・・・・

そんな事を思ったのは貴方が初めてだった。


班長と言う立場を超えて必ず第1線で戦おうとする貴方・・・・・・

第1艦橋から出て行く貴方の後姿を見ながら私は「無事に戻ってきて」と祈り続けた・・・・・・

どんな困難な作戦でも貴方なら大丈夫・・・・・

なんて思うようになったのはいつからかしら・・・・・・


少年から大人の男へと脱皮を続ける貴方の背中をただ見ていた私・・・・・・

なのに優しい言葉一つかけられない私・・・・・・

イスカンダルでスターシアさんの思いに気づいた時・・・・・・

「見てるだけでいいんですか?」

と言った私だったけど・・・・・・それは自分への疑問だったのかも知れない・・・・・・

デスラーが戦艦ごとヤマトに突入してその時も貴方は銃を取り戦場へ駆けて行った。

危険を顧みない貴方は放射能が艦内に充満していく中敵と戦っていた・・・・・・

「古代くんが危ないっ!!!!」

そう思った私は頭で考えるより先にコスモクリーナーDを作動させようと工場区内へ駆けて行った。

ただ貴方を失いたくない・・・・・それだけが私の思い・・・・・・

「危険だ」と言う真田さんの言葉にも「古代くんが死んじゃうっ!!!!」と一心に思い・・・・・・

どんな危険も顧みず作動させた私・・・・・・

仮死状態になった私を見て貴方がどんな思いをしたのかも知らず・・・・・・

覚えているのは暖かかった貴方の腕・・・・・・

私を抱き上げ第1艦橋へ連れて行ってくれた貴方・・・・・・

目を開けた私に「ユキッ!!!!」と叫んでギュッと抱き締めてくれた貴方の力強い腕を私は忘れる事が出来ない・・・・・・

そんな事を話したら今だったら「嬉しくてさ・・・気が動転してそこがどこだったかも忘れてしまっていたんだ」って恥ずかしそうに言うのでしょうね・・・・・・

かけがえない私の貴方・・・・・・

出会った事に感謝して・・・・・・

これから歩いていける嬉しさを持ちながら・・・・・・

これからも共に生きて行きたい・・・・・・

貴方と共に・・・・・・



秋月さんから、サイと開設2周年のお祝いにお話を頂きました。
ユキちゃんが古代君と出会ってから古代君に引かれていくユキちゃん。
これから先の人生を二人で歩いていきたいというユキちゃんの気持ちですね。

秋月さん素敵なお話ありがとうございました。